
まず骨盤とは
骨盤は受け皿のような形をしていて、上半身の体重を支えるだけではなく大切な内臓を入れる器です。特に女性にとって妊娠時に子宮を支える非常に重要な箇所です。大きさは、男性よりも女性の方が妊娠や出産のために角度が広くできています。また日頃の不良姿勢の積み重ねが骨盤のゆがみの原因になり、加齢とともに開いてきます。
骨盤がゆがんだ状態とは
骨盤が傾いて開いてきてしまうと、両脚の長さに左右差が生じます。左右の脚長差が出てくると腰や股関節や膝などの下半身全体に負担がかかりやすくなります。アンバランスに積み上げられた積み木のように、次は上半身の骨格にも影響を与え、猫背や側弯症や肩こりなどを及ぼします。ゆがみが蓄積されればされるほど、治療が困難な状態になっていきます。
その他にも、内臓不調や血行不良などさまざまな影響がでてきます。内臓が本来あるべき位置より著しく下がり、胃に大きなスペースができてしまうのです。いくら食べても太らないひとは、骨盤がゆがんで内臓が下垂しているのかもしれません。
また骨盤のゆがみが下半身全体の血行を悪くさせることにより、脚のむくみや冷え性の原因にもなります。「上半身に比べて脚が太い」と困っている方は、骨盤がゆがんでいる可能性が高いのです。
あなたの骨盤の歪みチェック
もしあてはまるものがあるなら骨盤がゆがんでいます。
もし3つ以上該当するなら早めに骨盤矯正を受けることをおすすめします。
- ・脚を組まないと長時間座れない
- ・椅子に座っていると無意識に膝が開いてしまう
- ・横座りしてしまう
- ・左右で肩の高さが違う
- ・腕組みをする癖がある
- ・脚がむくみやすい
- ・O脚またはX脚である
- ・寝る時はうつ伏せか横向きの方が楽である
- ・姿勢が悪く猫背気味である
- ・下腹がポッコリと出ている
- ・お尻が大き過ぎる
- ・便秘がちである
- ・生理不順や生理痛がある
- ・何もないところでつまづくことがある
- ・立っている時にどちらか一方の脚に重心をかける癖がある
- ・左右で靴底のすり減り方が違う
- ・靴底の外側の方がすり減りが早い
骨盤が正常な状態に戻ると嬉しい効果が期待できる
骨盤のゆがみを矯正することで美しい姿勢が維持できるようになり血液やリンパ液や体液の循環が改善されますので、新陳代謝が向上して脂肪燃焼にもつながります。
特に女性にとっては子宮や卵巣に負担がかからなくなりますので、女性ホルモンの作用が正常化して肌荒れが解消します。
では、本題の妊娠前になぜ骨盤矯正が必要か!?
まず妊娠すると骨盤が前傾といって前に倒れます。そして前傾すると骨盤の上に乗っている腰椎の湾曲が、必要以上に強くなります 。それによって腰に負担がかかり、その負担が腰痛の原因になります。
お腹が重たくなることによりどんどん前かがみになりますので、まっすぐ立つためにバランスを取ろうとして腰を反らします。つまり重心の位置が前の方に移動して、反り腰(腰を反った状態)の姿勢になります。この反り腰の状態はお腹が大きくなるにつれてさらに強まり、腸腰筋・腸骨筋や背骨を支えている脊柱起立筋という筋肉に非常に負担をかけます。
この筋肉の負担が腰痛や足のつけ根の痛みの原因となり、この状態が長く続くことでお尻の筋肉にも負担がかかるようになってしまいます。
- ・妊娠してから、腰や股関節が痛い
- ・骨盤が開くことによるシモのトラブル
- ・胎児が大きくなるにつれ鼠蹊部が圧迫され、足がつりやすい。または浮腫みやすい。
- ・胎児が心地よい丸い姿勢になりにくい
- ・産後に体型が戻りにくい
- ・産後に妊娠線が出やすい
痛みが出始めてから慌てて、体操やストレッチをし始める方がおられますが、筋膜や筋肉が硬い状態であれば、そう簡単には柔らかくなってくれませんし、体操やストレッチをしたからといって、骨盤が矯正されることはありません。さらに妊娠中の接骨院や整骨院などの施術は断られるケースがほとんどです。
妊娠前に骨盤矯正していれば、忙しい産後でも改善がスムーズ
テレビや雑誌などで産後の骨盤矯正についてよく取り上げられていますが、産後の子育ては非常に大変なので繰り返し通院する時間を取ることが難しいです。
当院は妊娠中に起こりうるあらゆるトラブルを最小限におさえるためだけではなく出産時に赤ちゃんが産道をまっすぐにスムーズに通れるようになりますので、妊娠前に骨盤矯正を受けることを推奨しています。
特に産前・産後は妊娠時に分泌されるリラクシンというホルモンの働きにより骨盤を支えている筋肉や靭帯が緩み、関節が柔らかくなるために骨盤が徐々に開いてきます。出産後は、自然治癒力で開いていた骨盤(恥骨結合部)が徐々に元の位置にある程度は戻ります。それから数回だけ骨盤矯正すれば、関節が締まっていき改善します。
患者様のそれぞれのお身体に合ったバランスのよい状態に導いて胎児に及ぼす影響を無くし、痛みのない生活を送っていただきたいと思っています。当院の施術方法は安全なので、妊娠中のさまざまな痛みにも対応しております。また産後の骨盤矯正は、産後1ヶ月から対応しております。育児中によくある赤ちゃんを抱えた時に起こるぎっくり腰や長時間の抱っこによる腱鞘炎なども合わせて改善できますので、お気軽にご相談ください。
よくあるご質問
Q、産後の骨盤矯正って、必要ですか?
出産で開いてしまった骨盤は、ある程度は自然治癒力で元に戻ります。しかし完全には、元に戻ってくれません。特に妊娠前からゆがんでいた方は、出産によりねじれや開きなどの骨盤のゆがみが更に大きく生じますので、自然治癒力だけでは戻りきらないゆがみは、手技療法で改善させるしかありません。したがって産後の骨盤矯正は、必要なのです。
骨盤のゆがみを放っておくと骨盤の周辺の血流が悪くなり脂肪の燃焼がうまくいかなくなりますので太りやすくなり、また腰痛や股関節痛が発生したりむくみや冷え性や不妊症などの婦人科系疾患にもつながってしまいます。
Q、帝王切開による出産でしたが、骨盤矯正した方がいいですか?
帝王切開は赤ちゃんが産道を通って生まれてくる普通分娩とは違う形の出産ではありますが、普通分娩と同じで妊娠中のホルモンの影響で骨盤はゆるんでいます。ゆるんだ骨盤がゆがんだまま硬まってしまうのを防ぐために、骨盤を矯正したほうがいいでしょう。